4月14日現在のメキシコでのCOVID-19陽性確認数は5399人。ただし、これはあくまでもPCR検査を受けた患者数の中での話。実際には陽性患者数はこの8倍にはなるだろう、とも言われています。
増え続ける数字を毎日見ているとただただ不安になる、という方も多いでしょう。それでは、万が一「新型コロナにかかったかもしれない」。そんな時は一体どうすればいいのでしょうか?
「熱がある、咳が止まらない。もしそんな症状が出た場合は、まず焦らないことが大事」。メキシコシティのエスパニョール病院の整形外科医・多富康志医師はこう言います。
「焦って病院へ行く。これはもっともリスクが高い行動だと言えます。新型コロナが陰性であった場合、車に乗って外に出て病院へ行くことで自ら新型コロナの罹患リスクを増やしていることになりますよ」
さらには、病院へ行ったところですぐにPCR検査をしてもらえる訳ではないと言います。37.5度以上の発熱が続き服薬しても下がらない、などの条件をクリアしていないと検査はできないためです。
「各国の対応を見ていると、ドイツのやり方は合理的と言えます。つまり、検査をして陽性反応が出ても軽症であれば自宅待機とし、医師がビデオ通話を通して毎日経過を観察する。そこでもし重症化することがあればすぐに担当の医師が搬入先を指示するのです」
「ところが現段階でメキシコの病院では、重症者も軽症者も同じ病棟で治療を受けています。これは医療崩壊という点でも院内感染という点でも避けるべきところです」
それでは、実際、疑わしい症状が出た時はどうしたらいいのでしょうか?
「まず、普段からかかりつけの担当医がいる方は、そちらに症状を電話で伝えてください。この場合、発熱に対しては熱冷まし。咳に対しては咳止め、という形で『対症療法』を行うことになります。ただし、38.5度や39度といった高熱が出ると、みなさんびっくりしちゃいますよね。高熱の場合、インフルエンザの可能性もあります。事実、この時期、検査をした方の半数にインフルエンザの陽性反応が出ているのです。新型コロナの疑いを取り除く意味でも、高熱が数日間続く場合はラボでインフルエンザの検査をすることをお勧めします。通常のインフルエンザの場合は検査結果が2時間で出ますから。インフルエンザが陽性の場合は担当医から抗ウイルス薬のタミフルが処方されます」
「自宅療養中は、毎日医師に経過報告をするように。数日にわたって患者の状態を聞くことで、医師も容態の変化がわかります。そして、いざ搬送の必要がある、となった場合に経過を病院に的確に指示できる、というメリットにも繋がります」
もちろん自宅で療養する場合は家の換気に気をつけマスクを着用し、使用する食器は別にするなど通常のインフルエンザの時と同じような対応を心がけるのをお忘れなく。
とはいえ、かかりつけのお医者さんがいない……そんな方でもご安心を。
弊誌でお馴染み「NIPPON MEDICAL NETWORK」の多富先生、新垣先生、堀先生、坂本先生が新型コロナに関しても相談受付や上記のような通話での対応を行っています。
こんな時、日本語で相談できる安心感は本当に大きいですね。実際、筆者もこの取材を通して「もしも」に際して何をすべきか、何をすべきでないか、というポイントが明確になりました。
「もしかしたら……」という時は下記の各医師の携帯へご連絡を。
Comentarios